社長の想い~代表インタビュー~

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大北製作所 社長・大北浩司が語る会社への想い

40年ほど前から防衛・研究機関の仕事を請け負い、今では航空機・宇宙関連の特殊な製品の受注も行うなど、現在も確かな発展を遂げている大北製作所。こちらのページでは、そんな大北製作所の社長・大北浩司が事業やお客様、社員に対する想いを語っています。インタビュー内容をご一読いただき、当社のことをより知っていただければ幸いです。

大北製作所・大北浩司社長が語る会社への想い

「「人は騙せても自分は騙せない」という精神で常に自信をもってご提供させていただける製品をつくっています」

――大北製作所 社長 大北浩司

金型を使用しないで溶接にこだわっている理由を教えて下さい。金型で大量生産の製品をつくった方が利益になる場合もあるはずですが。

――金型を使用しないで溶接にこだわっているという言い方は少し違うかもしれません。金型を使ったプレス絞り加工やプレス加工は製品を速く、安く大量生産する事が出来ます。当社でも製品によってはプレス絞り加工を行っていますし、必ずしも金型を使用していないという事ではありません。

当社では、製品の使われ方や数に合わせて最適な方法をご提案しています。最適な寸法や形が決まる前の段階や、形状は決まっていても、トータルの生産数があまり多くを見込まれない場合、またお話しをいただいてから1日も早くモノがご入り用な場合などに、私たちの溶接ケースがお役に立てるのではないでしょうか。

製品が他社からも評価されているようですが、どの様な工夫をしているのですか?

――一般に板金と溶接でつくる製品は溶接部にピンホール(小さな穴)やクラック(割れ)があるのでは、とか、良いもの悪いものが混在するというか、品質が安定しないのでは、というイメージがあるのではないでしょうか。しかし溶接品であっても、適正な条件とキッチリとした管理の下で生産すれば、高品質でかつ安定した品質の製品をつくる事が出来ます。

例えば当社では、航空機・宇宙用途の製品もつくらせていただいています。この分野では量産となっても、生産量が多いというわけではないのですが、求められる品質は非常に高いです。そうした業界で私たちの溶接ケースをご採用いただいているという事は、溶接品でも製法と管理によって、品質に問題のない製品をつくる事が出来るとの証明になったのではないかと考えています。

職人さんはかなりの技術をお持ちのようですが、どのようにしてノウハウを構築していったのですか?

――実は職人さんという意味での職人さんは当社にはいないんですよ(笑)。当社は溶接を、初めは外注さんにお願いしていました。それがあるとき自分たちでせざるをえなくなったんです。まさに教科書を見ながら、電流や溶接速度などを変えて、いろいろな条件を試し、一番良い製品が出来るよう試行錯誤しました。溶接作業の経験はゼロだったのですが、溶接された製品の検査をしていたため、出来上がった製品の良し悪しの判断が自分たちで出来ました。このことが活きて何とか対応する事が出来ました。

その後は経験を積み重ねる事で、ノウハウを蓄積してきました。そして、社内の設備を整える事によって、誰が作業を担当しても高品質な溶接を行える様にしてきました。

他社と比較した時、最も自社の強みだと言える点は何ですか?

――先ほども申しましたが、溶接の技術に関しては素人の集団でしたので、その道30~40年やっておられる方とはやり方が異なると思います。ただ、だからこそ当社には固定概念がありませんでした。それで、航空機、宇宙用途の様な管理や審査が厳しく、いろいろな制約の多い特殊な製品にも柔軟にチャレンジする事が出来たのだと思います。

機械加工に関しても、いろんな業者さんが辞退されて、最終的に当社が受注したというケースもありました。それもその道のベテラン職人さんにとっては常識的に無理だと映った案件だったのかもしれませんね。

航空・宇宙・防衛・研究機関などからの依頼された経緯を教えてください。

――その話になるとだいぶ前まで遡りますね(笑)。航空機・宇宙用途のお仕事は比較的新しく、もともとは防衛・研究機関からお仕事をいただいておりました。もう40年くらい前の事です。当時、防衛装備の国産化が打ち出された時期がありました。そんな中、海外製の電池を国産化するプロジェクトに当社の創業者である私の父にもお声がかかったそうです。父は過去に大手商社の化学部品に在籍していた経歴を活かし、電池用の特殊な材料を輸入する事になりました。更にそれを自ら加工する仕事を始める事で当社を創業し、また当社がこの分野で仕事をさせていただく事になっていったわけです。

防衛関連のお仕事は当初、海に対する製品がメインでしたが、主流が徐々に空へと移り変わっていきました。そんな流れの中、お客様から「新しい仕事にも挑戦してみないか」とお声をかけていただけた事で、溶接や機械加工の仕事を始める事となり、やがて航空機や宇宙用途のお仕事へとつながっていきました。

それではここからは事業のことから、社内の内容に移ります。社是の「誠意」「技術」「熱意」の中で一番重要な要素は何ですか?

――どれも大事なので、3つを掲げています。「誠意」はまごころですから、良心とか相手を思いやる気持ちにつながります。「技術」は文字通り技であり、常に想像的に仕事に取り組む事で腕を磨き能力を高める事です。「熱意」は熱い気持ちで、難しい仕事にも立ち向かい、なんとしてもやり遂げるぞ!という意味です。個人的な解釈としては、やり遂げるためには体力が必要ですから「熱意」に体の意味を込めて「誠意」の心、「技術」の技と合わせて、心技体という言葉と重なるなと思っています。

強いて一番大切なものを挙げるとしたら、心の部分だと思います。心が方向を間違えると大変な事になってしまいますからね(笑)。磨いた技と熱い気持ちで自分たちだけでなく、まずはお客様に喜んでいただけるように、正しい気持ちで仕事をしたいと思います。

創業の精神である「人は騙せても自分は騙せない」の真意(どのような想いや意味を含んでいるのか)をお聞かせください。

――創業者の父が会社を興した頃から、もしくはそれ以前から何度も私たちに伝えていた事です。仕事をしていれば失敗はつきものですよね。しかし、その失敗を取り繕って問題があるかもしれないまま、お客様に納品したとしたらどうなるでしょう。

不本意な製品をお客様に提供する事で「あの製品大丈夫かな」「後で問題にならないかな」などと、どこか後ろめたさを感じてしまうのではないでしょうか。仮に他の人が気付いていなかったとしても自分自身はその先ずっとそんな思いを持ち続けなければいけません。

当社では「人は騙せても自分は騙せない」という精神のもと、常に自信を持って提供させていただける製品をつくる事を心がけています。納品した後、お客様から「良かったよ」と言っていただけるときは、仕事をしていて最高にうれしい瞬間です。自分の仕事に引っかかるところがあると、喜びも達成感も得られないですよね。

こんな大きな問題でなくても、例えばまわりのみんなが一所懸命に何かしているときに、自分はそんなふりだけして手を抜く事だって出来るでしょう。やっぱり同じですよね。その事がわかっているのは自分だけだったとしても何かむなしい、寂しいはずです。

この言葉は仕事だけではなく、仕事も含めた人の生き方に対して通じるものだと思っています。

納期が忙しいときでもどんなときでも明るさを大切にしているということですが、社内の雰囲気を明るく保つ秘訣はありますか?

――どんなに大変なときでも明るい職場でありたいと思っていますし、そういう職場にしていきたいです。人間なので納期が差し迫っているときはイライラすることもあります。しかし、そんなときでも「何とかなる」「何とかするぞ」という前向きな考え方が出来る人が当社にはたくさんいます。

当社では仕事だけでなく、飲み会やレクリエーションなど社員同士が信頼関係を築いてもらえる様な場を少しでも多く持つよう心掛けています。そんなことが、誰かが困っているときは余裕のある人がカバーする、あるいは製品をつくる人、検査をする人、出荷をする人と、それぞれ役割は異なりますが、みんながお互いを思いやる事が出来るといった雰囲気につながってくれればと思っています。

社長が考える今後のビジョンをお教えください。

――まずは当社をこれまで育てて下さったお客様、仕入れ先様、金融機関の皆様、そして社員のみなさんの、その厚い信頼を絶対に裏切らない事です。そのためにも、目の前の目標として、現在させていただいているお仕事の中で航空機・宇宙用途のものが占めるウェイトが大きくなってきていますので、この品質要求にマッチしたJIS規格の認証取得を目指しています。

また、みなさんの信頼に応えるためには、この大北製作所という会社をこれから先もずっと存続させていかなければいけません。この作業には終わりがありません。当社はまだまだ発展途上です。私が入社したときは一番年下でしたが、いつの間にか上から数えて何番目・・・という状況になりました。これからを担う若いメンバーを中心に、社員全員が幸せで人生が楽しいものになるような会社にしたいです。いつか社員のみんなに、自身のお子さんをこの会社に入社させたいと思ってもらえる様な会社にできればと思っています。

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